【書評】Python実践入門

こんにちは、ぐぐりら(@guglilac)です。 技術評論社のPython実践入門を読んだので、まとめと感想を書きます。 [Python実践入門 ──言語の力を引き出し、開発効率を高める：書籍案内｜技術評論社](https://gihyo.jp/book/2020/978-4-297-11111-3) ## 経緯とか感想とか Pythonをしばらく書いてきて、改めて知識をさらっておきたいなと思って買いました。 よりPython上級者向けの本へ進む前の橋渡し的な立ち位置な気がします。 全体的に丁寧でわかりやすかったです。 想定読者としては、他の言語のプログラミング経験者でPythonに入門する人、というのが帯に書いてあるが、本当にそんな感じ。 言語の文法、環境構築、ライブラリの管理、テスト、と満遍なく書いてあります。 帯に書いてあるとおり、確かに一つ目の言語がPythonで、この本から入ったら多少きついかもしれないと感じました。 自分は最初に大学の授業でCを学んだのですが、あまり身についた感じはせず、そのあとPythonを勉強したという経緯で、ほぼ初めての言語がPythonでした。 当時は別の本でPythonを独学したけれど、この本からプログラミングを始めていたらわからないところも多かったと思います。 あれから数年、大学院やアルバイト、インターンなどでPythonを書いてきて、それなりに理解しているつもりだけど、新卒として入社してよりしっかりとPythonを使いこなせるようになりたいと思い、知識を固めるために読んでみました。 そういう状態で読んだので、もちろん知っている部分も多かったけれど、細かい部分(便利な組み込み関数、ディスクリプタ、PyPIへの登録の仕方、並行処理、importするパスの優先順位とか)など勉強になる部分も多かったです。 というような理由で、出版側の想定としてある「他の言語のプログラミング経験者でpythonに入門する人」の他に、「ある程度Pythonが書けるけど細かいところがよくわかっていない」、「けどいきなり難しい書籍は挫折しそう」という人が知識を補完するのにもお勧めできるかと感じました。 以下ではPython実践入門の内容について、どのようなことが書かれているかをメモ程度にまとめておきます。 自分の復習のためにインデックスをはるような感じなので、あっさりと書きます。 ## 第1章 Pythonはどのような言語か こちらでは、他言語と比較したPythonの性質や、開発の歴史、PEPなどについて書かれています。 あまり言語の歴史について書かれているものを読んだことがないので、新鮮でした。 ## 第2章 Pythonのインストールと開発者向けの便利な機能 ここでは、便利な組み込み関数について紹介がありました。 自分は`dir()`を知らなかったので、ありがたかったです。 インストール方法についてはmac,windows,ubuntuの他、dockerを用いたものが紹介されています。 ## 第3~6章 Pythonの基本的な文法 制御フローやデータ構造、クラス、インスタンスについてです。 こちらについては普段Pythonを使っている人には既知の内容が多いので、さらっと進めるのではないかと思いました。 他言語からPythonに入門する方にはちょうど良い情報量でまとまっているかと思います。 ## 第7章 モジュールとパッケージ、名前空間とスコープ この辺りを必要に応じて調べながらごまかして書いてきたので、自分としてはすごくありがたかったです。 モジュールとして読み込まれた場合とスクリプトとして実行された場合の`__name__`に入る値の違いであったり、パッケージの作り方、インポートする際にモジュール検索が優先順位、変数のスコープの種類などが書かれています。 つぎはぎだった部分がつながると理解が深まって良いなと感じました。 ## 第8章 組み込み関数と特殊メソッド 組み込み関数では、オブジェクトの型や属性を調べる関数(`isinstance()`や`hasattr()`など)、イテラブルなオブジェクトを受け取って処理をする関数(`zip()`や`sorted()`など)を解説しています。 特殊メソッドは、Python特有な機能で、Pythonが暗黙的に呼び出す特別なメソッドで、どのような時にどのメソッドが呼ばれるのかを知っておくとスマートに挙動を変更できます。 `__str__()`と`__repr__()`の違い、イテラブルなオブジェクトを実装するための`__iter__()`や`__next__()`、コンテナオブジェクトのための`__getitem__()`や`__contains__()`などが説明されています。 ## 第9章 Python特有のさまざまな機能 こちらでは、Pythonに特有な * ジェネレータ * デコレータ * コンテキストマネージャー * デスクリプタ が解説されています。 ジェネレータぐらいしか自分で作ったことがなく、デコレータやコンテキストマネージャーは必要に応じて「ふーんこんな感じで書くんだな」と思っていたぐらいで、デスクリプタについては初耳だったので、勉強になりました。 中身の実装を知らずになんとなく使っていただけのものも、ライブラリの実装を読むときなどに必要になってくると思うので、この辺りは復習をしたいです。 (とくにデスクリプタが難しかったです) ## 第10章 並行処理 `concurrent.futures`モジュールや、`asyncio`モジュールについての解説があります。 こちらもこれまで使ったことがない内容でした。 処理が遅くてもPythonだから仕方ないのかな、とあまり気にしてこなかったのと、無理に並行処理を書いてバグらせたりすると怖いと思って取り組んでこなかったという現状です。 ## 第11章 開発環境とパッケージの管理 venvを使った仮想環境の作り方、pipでのパッケージ管理、自作したパッケージのPyPIへの登録について説明があります。 このまわりはいろんなツールがあって、ググるといろんな情報が出てきて混乱するので、最小限に絞られた情報を本で読んでから他のツールを知ると知識が整理されて良いかもしれません。 自作パッケージの公開についてはやってみたいと思っているので、近いうちに取り組んでみたいです。 ## 第12章 ユニットテスト `unittest`を使って単体テストをする部分の解説です。 自分は以前テスト駆動Pythonを読んだのもあって、今回はこちらは流すだけにとどめました。 [テスト駆動Python（Brian Okken 株式会社クイープ 株式会社クイープ 安井 力）｜翔泳社の本](https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798157603) ## 第13章 実践的なPythonアプリケーションの開発 LGTM画像を自動生成するコマンドラインツールの作成を通じて、gitやcircle ci、テスト、パッケージ作成などを一通り体験しようという内容です。 ## まとめ * 他の言語のプログラミング経験者でpythonに入門する人 * ある程度Pythonが書けるけど細かいところがわかってない人 が対象かなと感じたと書きましたが、後者の自分が読んだ感想としては、 第7章~第11章あたりが勉強になる感じでした。 あまり前半からわからないだらけだときつい、という方で似たような境遇の方にはおすすめです。丁寧でわかりやすかったです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;display:none;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBW95plm-8fI6oQpDDl0V0iTTf0ubdapROyXs1xLdSHomWcmMffEBvvTDTSFdO-r-L6j74KM3JUYYfy3NmhvfW3_U-sSN3njG5eHwk8nAwBRAL0e90zYfcQQCDJ_2oGPbXU3yYBMNNrWg3/s1600/titleguri.jpg" imageanchor="1" ><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBW95plm-8fI6oQpDDl0V0iTTf0ubdapROyXs1xLdSHomWcmMffEBvvTDTSFdO-r-L6j74KM3JUYYfy3NmhvfW3_U-sSN3njG5eHwk8nAwBRAL0e90zYfcQQCDJ_2oGPbXU3yYBMNNrWg3/s320/titleguri.jpg" width="320" height="320" data-original-width="100" data-original-height="100" /></a> </div>