社会人になって3年が過ぎた-ぐぐりらにっき

こんにちは、ぐぐりら(<a href="https://twitter.com/guglilac">@guglilac</a>)です。

タイトルのとおり、社会人になって3年間が過ぎたので、今考えていることとか振り返って取り止めもなく書いていく。

そもそも社会人になって3年が過ぎた、なんて曖昧なタイトルをつけるのは好きではなくて、読者のことを考えてちゃんとわかりやすい題をつけるべし、という信念の持ち主なのだが、どうにもまとまったことを書ける気がしないので、まあこれでいいかな、という気持ちでそのまま出すことにした。

## ChatGPTと文章を書くこと

なぜ急に記事を書くのか。

なんとなく書きたくなった、ちょうど3年の区切りだったのでちょうどよかった、というのもあるが、おそらくなんとなく書きたくなった理由の一つは、(またかと思われるかもしれないが)昨今のLLMまわりの流行によるのかな、と感じている。

ChatGPTを使って作文してみたり、プログラミングさせてみたり、英語の勉強に使ってみたりといろいろ遊んでみて、使い所は選ぶものの確実に大きなブレイクスルーはそこにあると感じられて、「あー、これもうまく使いこなせるといいかんじなんだろうなー」と思いながらちょこちょこ触っている。

文章から要点をまとめたり、逆に要点をうまくまとめて流暢な文章にしたりなど、言葉を操る部分に関して特に優秀さを感じていて、これは世間が騒ぐのも納得だなーと思ったり。

ただ、あまりもともと文章を書くことを苦にしない、むしろ好きな部類の行為であるタイプである自分にとって、ChatGPTに任せるハードルが人より高い気もする。

何度かChatGPTで作文してみたりもしたが、なんだか周りが言うほど便利に感じられない。
いや、便利な場合もたくさんあるのだろうけど、使い倒して生産性をあげよう！みたいな100%前向きな気持ちになれない。

何度かそういう気持ちになって、自分で考えてみた結果、おそらく自分は書くことに対する思い入れが強いのかも、という結論に至った。

ChatGPTが出してきた文章を見て、大体趣旨が合っていても、これは自分の言葉じゃない、そういうニュアンスじゃない、その順番だと論理の流れが綺麗じゃない、面白みがない、みたいな、一種のエゴのようなものを感じるケースが多かった。

これは「自分ってこんなに文章を書くことを大切に思っていたんだ」という気づきの体験であって、別にChatGPTのdisではない。普通に便利だし、自分も時間がない時とか仕方なく書く時とかはたたき台として使っているし、逆にこういう文章の組み立て方もあるよな、なんて気づきをもらえたりする良いツールという認識すらある。

でも、やっぱり心のどこかで自分の言葉で一から書きたい、という気持ちになることがある。
あまり自分の周りだったり、Twitterでこのような感想を見かけなかったので、ある程度レアな考え方なのかなと思いつつ、でもどこかで同じように感じている人がいると嬉しいな、と思って書き出してみた。

今はChatGPTの出してきた文章よりも良いと自負する文章が書けるが、これからもLLMが進化して非の打ちどころが段々と減っていき、自分より高品質な文章を高速に出力するようになったら、いよいよ文章を書くことが贅沢な行為になるのかもしれない。

自分の周りには職業柄エンジニアが多いので、コードを書く楽しみがなくなる、趣味として書くくらいの贅沢品になる、なんて懸念を多く見かけるが、文章を書くこともこの例に漏れず、贅沢な営みになっていくのかもしれない。

書いてみて改めて、一から文章を書くのは難しくてでもやっぱり楽しいなと、久しぶりのブログ記事で気付かされている。社会人になってから遠のいていたが、定期的に文章を書く習慣を戻そうかな。

色々未来予想だったりはあるものの、やはり自分らしい文章というか、味みたいなものは信じたいし、論理だけで差別化できなくなる世界で、美しさというか、美的で魅力的な文章を書くことが評価されるなんてことがあったら、文章を書くことが贅沢な趣味に留まらずに済むのにな、と妄想中。

アートとサイエンスまわりの話はこういう本に影響を受けています。

[世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか？～経営における「アート」と「サイエンス」](https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%8C%E7%BE%8E%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%80%8D%E3%82%92%E9%8D%9B%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F%EF%BD%9E%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%80%8D%EF%BD%9E-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E5%8F%A3-%E5%91%A8-ebook/dp/B073S1RJX2/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=)

## キャリアの話

話ががらっと変わってしまうが、もともと社会人になって3年が過ぎたことについての記事なので、このテーマについても書いておいた方が良さそうな気がするので書いてみる。

社会人3年というのはよく節目として語られがちな区切りで、社会人3年までの離職率が...とかよく取り沙汰されるわけで、(自分も例に漏れず転職したわけだが、)世間的には一定の区切りのよう。

大きな企業に新卒で入社、二年間勤めて転職しスタートアップで一年間働いたという内訳で、同じ会社に3年間所属している場合の3年間の感じ方とは異なりそうではあるが、一旦の自分の現在の考え方などを書いておく。

新卒で入った会社では、正直あまりうまく自分自身がワークしていなかったと今振り返ると思う。

自分が学生の頃にいくつかの会社でアルバイトや、修士課程の終盤あたりは業務委託などの仕事をしていたのもあって、どこかで「自分はやれる」と思い上がっていた節もあったのかもしれない。
仕事で成果を出すことよりも、技術やスキルの習得という点で物事を見過ぎていたような反省もある。

もちろん環境側とのマッチング問題もあって、ストレッチの効いた仕事が自分に回ってこないとか、自分から仕事を見つけてこないといけないチームにいたとか、放任よりのマネジメントだったとか、あまり教育や引き継ぎがうまくいっていなかったなど色々要因はあると思うのだけど、歯車がどうも噛み合っておらず、空回っていたような感じだった。

新卒入社のタイミングからフルリモートワークだったこともあり、転職してからの方が前職の人と会う機会が多いのだが、前職の同期と話していても、大きい企業ということもあってチームによってかなり環境は異なるようで、自分がいた環境とは全然違うなと転職してから気づくことも多い。配属は重要。

まだ二社しか経験していない若造が何を、という言葉が聞こえてきそうだが、やはり一緒に働くマネージャーと、自分にとってチャレンジングな仕事が降ってくる環境か、が大きな要素なのだなと感じる。

[Work in tech](https://www.amazon.co.jp/Work-Tech-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8B%9B%E5%BE%85-%E6%A3%AE%E5%B1%B1/dp/4594089631)でも書かれているが、仕事に対して人がダブついている環境にいると、どうしても打席に立てる回数は少なくなるし、逆にちゃんと結果を出して信頼を積み上げていけば打席に立つ機会が増えていく、いわゆるユニコーンみたいな環境もある。

もちろん忙し過ぎて健康やプライベートを犠牲にするのは論外だけれど、人が余っているような環境も考えものだな、という学びを得た。

転職活動時にもこの点を痛感する機会があった。
不合格になってしまった企業の方からフィードバックの面談の時間をいただいた際に、「技術力や学習能力、自走力なども十分評価できるが、実際にプロジェクトを推進した経験がないことが不採用の理由」というFBを頂いた。

転職活動時点では1年半しか働いておらず、小さなプロジェクトでいくつか成果は出していたものの、自分が推進して周りの人を巻き込んで進めた経験はなく、ただただそのFBを受け入れるしかなかったのがとても悔しかった。

そのFBを受けた経験や、前職でうまくワークしなかった経験を元に、次の会社ではこうしよう、といくつか方針を立てて実行してみた。まだまだ道半ばだけれど、うまく回っていると感じていることも多いので、この方針で間違っていなかったと今のところ思っている。

* プロジェクトを自分で推進して、周りを巻き込んで成果を出す
* 技術やスキルの習得に拘らず、あくまで仕事上の成果を出すことに集中する

転職は自分のやりたいことを考え直して今後のキャリアをどうしていくかの思考を深めるという側面があり、そういう軸での振り返りもあるにはあるのだが、今回書いた振り返りはデータサイエンスうんぬんなどの技術的なキャリアの話ではなく、マインド的な部分の反省と対策という点でも大きな転換期になったと思っている。

データサイエンス的なキャリアパスの話はまた別の機会に、という感じか。ちょうど(またかと思われるかもしれず恐縮ですが)LLMの登場でデータサイエンティストが危ない、みたいな言説が溢れている現代なので、自分もそれについては考え中、というところ。

ただまあ一つのことだけに取り組むのが嫌で色々やりたい、と思って環境を変えたことはこのGPT時代を迎えるにあたってプラスに働いているのかな、くらいの感想は持っていて、自分の興味の幅と、時代の不確実性とを考えると、まあ悪くない選択なのかなと。

この先ずっとデータサイエンティストを続けていく気はしないが、まずはプロジェクトの全体が見えるようになること、自分の持っているスキルで得られる経験を取りに行くこと、その中で自分の嗜好と得手不得手に関するデータを集めること、を向こう数年の課題としているイメージ。

## 興味の変化

論文を読む量が減り、数式を追っかけることも減った。
それでも頭を使うことはやはり好きで、そういう類の仕事を続けたいとは思っているが、頭の使う方向が変わったように思う。

もちろんまだまだ現役でデータサイエンティストなのでMLモデルだったり分析手法はちゃんとキャッチアップするし、たまに興味のある分析コンペなどにも参加しているけれど、最近はデータ分析自体の技術よりかは、どのようにデータサイエンス周りの処理を抽象化、汎用化するかを考えて設計、実装することが楽しいと感じるようになった。

もともとKaggleなどの分析コンペに出るモチベーションも、精度改善したいというよりかは、いかに楽に実験を管理できる環境を用意するか、という点にあり、極端な話「実験を管理するツールを作るから精度改善は誰かやって」くらいの気持ちで参加していることが多い。

この辺りの分野に興味を持ったのは、大学院時代の研究アルバイトで、実験管理のしやすい、取り回しの良いコードの書き方を教えてくれた上司の影響が大きく、社会人になってよりその重要性が増し、かつ興味を持ち始めたという経緯。

去年のNishikaさんのコンペの振り返り記事でも書いた通り、データサイエンス周りの共通化、汎用化を公私両方で取り組めていて、この分野の学習に比重が傾いてきているという現状になっている。

[Nishika 中古マンション価格予測 2022春の部 3rd Prize Solution](https://www.smartbowwow.com/2022/07/nishika-2022-3rd-prize-solution.html)

というわけで社会人3年間を終えた今の興味は、技術的な面ではいわゆるDataOpsやMLOpsまわり、ソフトスキル的な面で言うとリーダーシップだったりプロジェクトの進め方といった自分の影響力をどうやって大きくするか、みたいなことに興味があったりする。

数年後はどんなことに興味を持っているのか、今から楽しみ。

## おわりに

とりあえず今書きたいことを三つ、書きたい順に並べたらこうなった、という形の記事になった。

見る人がみたら名文かもしれないし、駄文かもしれないが、少なくとも未来の自分はこれを読むのが楽しみであるはずなので、俺得！ということで締め。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

社会人になって3年が過ぎた

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